VOYAGER

松任谷由実( Matsutoya Yumi ) VOYAGER歌詞
1.ガールフレンズ

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

そう みんなが云ったとおり
先は見えてたの
あの恋はついにこわれたわ

想い出のせいじゃなく
悲しかったのは
けなげだったあの自分のせい

用事をすませて 信号を抜けて
ひさしぶりに集った
ふられた私に みんなは陽気な
ガールフレンド

うしろのシートでふさぎ込んでたら
窓から夜風を送って
ふられた私につけこむ誰かを
今日はけちらして

女だけでくり出せば
暮れてゆく街に あざやかな光
踊りだすよ

おしえて これから危なく生きたらだめなの

そう みんなが同じよに
昔の笑顔はもう幼なすぎて作れない

想い出のせいじゃなく
悲しかったのは
やさしすぎるから あなたたちが


2.結婚ルーレット

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

コップのウォッカがこぼれ落ちる寸前まで
コインを沈め合うの
そんなかけひきも近頃はもどかしくて
いっそ倒したくなる

もっと もっと やさしくして
それはお互いさま
ホイップし過ぎたら
しぼむ恋はメレンゲ
ちょうど良い頃合いに止めてよ

最後の線で待っているの プロポーズ
私って サイテーだわ

おそる おそる 弾き金を引く
弾丸は一発だけ
裏目に出たときは
全てが消えるとき
まるで電光石火 ルシアン・ルーレット

もっと もっと やさしくして
それは お互いさま
ホイップし過ぎたら
しぼむ恋はメレンゲ
ちょうど良い頃合いに止めてよ

裏目に出たときは
全てが消えるとき
まるで電光石火 結婚ルーレット


3.ダンデライオン ~遅咲きのたんぽぽ~

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

夕焼けに小さくなる くせのある歩き方
ずっと手をふり 続けていたいひと

風に乗り飛んで来た はかない種のような
愛はやがて来る 冬を越えてゆく

きみはダンデライオン
傷ついた日々は 彼に出逢うための
そうよ 運命が用意してくれた
大切なレッスン
今 素敵なレディになる

つみとってささげたら ひとに笑われそうな
私にできる全てをうけとって

ふるさとの両親が よこす手紙のような
ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる

きみはダンデライオン
本当の孤独を 今まで知らないの
とても幸せな淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで

とても幸せな 淋しさを抱いて
これから歩けない
私はもう あなたなしで


4.青い船で

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

私たちを乗せた船は東へと漕いでゆく
朝焼けを 夕映えを
果てしなく追いかけて

月をよぎる雲の色も
波のしぶきさえも
二度と同じ姿はない 永遠の万華鏡

私たちを乗せた星は涼しげに輝いて
木星を 金星を
導いてゆくように

同じ時を旅している
たくさんの人の中に
なぜかとても ああなつかしい
あなたがいてよかった

恐れずに生きてゆける
彗星のように燃え尽きたい

遠い海を旅してゆく小さな船の上に
もっと遠い夢を見てる
あなたがいてよかった

なぜかとても ああなつかしい
あなたがいてよかった


5.不思議な体験

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

少しだけ真面目にきいて
たった今 帰って来たわ
どこまでも廃墟のような
街並を歩いていたの

行く先も日付もいらず
なぜかしら淋しくもない
なつかしい名前を呼べば
いく重にもこだまが返える

飛行機じゃなくて 流星じゃなくて
眩むような白い光 空低くとび交っていた

ああ 遠くであなたが見つめてる
いつでも心を送ってる
私もあなたを求めてる
今 奇跡を信じてる

少しだけ真面目にきいて
この部屋をたしかに出たの
消し忘れたTVの音も
散らかったテーブルもそのまま

言葉ではなくて 形ではなくて
地平線に輝いてたオーロラに吸い込まれてた

ああ 遠くであなたが呼んでいる
両手を広げて立っている
私も目を閉じ答えてる
今 全てが生まれ変わるとき

遠くであなたが見つめてる
いつでも心を送ってる
私もあなたを求めてる
今 奇跡を信じてる

遠くであなたが呼んでいる
両手を広げて立っている
私も目を閉じ答えてる
今 全てが生まれ変わるとき


6.ハートブレイク

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

会いたさにたえかねて Wow
どしゃぶりの夜の道
近くまで来ているの Wow
電話は冷い声

わかっているの 心は遠い
でもこれだけは教えて

※幸せは私とだけ
燃えたのはあなたとだけ
感謝して別れるのは小説だけ※

愛が砕け散るのを Wow
見届けたかっただけ

雨音に閉ざされて Wow
いつか車とめたね
くちづけに街の灯も Wow
溶けて流れていたね

わかっているの 今恋しいのは
優しかった日の二人
闇の中にエスケイプ
出会ったのがミステイク
立ち止まるたび疼くよ ハートブレイク

(※くり返し)

会いたさにたえかねて Wow
救われたかっただけ


7.TYPHOON

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

風の音で目覚めた夜明けは薄明かり
あなたの肩にかけるシーツ
そっと腕をのばしてラジオをつけましょうか
もうそこまで来たタイフーン

ブラインドのすきまの空は不思議な色
厚い雲が動いてゆくわ
銀色の草も木も妖しくゆれはじめて
もう すぐに外はタイフーン

あの夏の島の苦しい潮の香り
ここへ ここへ ここへ

あなたがお茶を飲んでさよなら云う頃は
この部屋もひどい雨の中
ちっぽけな町じゅうが止まってしまえばいい
今日はどこへも行かせないわ

あの夏の恋の苦しいときめきを
ひとり ひとり ひとり

私の胸の奥に生まれた台風が
シーツの海を吹いてゆくの
哀しくてこわいから
あなたを離さないわ
もう すぐに外はタイフーン


8.Tropic Of Capricorn

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

ぎらつく波の上を さすらう共犯者
ふりむいたあのひとの輪郭が 溶けだして見えた

横たわり聞いている セイルのきしむ音
なぐさめも 後悔も 迷わずにどこかで捨てた

ああ いつしか風は凪いで
ああ もうすぐ空は燃えて
短かすぎる命は 短かすぎる命は
愛のためだけにあるの

Tropic of CAPRICORN 太陽も折り返えす遠い海
CAPRICORN もどれない情熱に身を委せて

群れ飛ぶアルバトロス 藍色の逆光
ひびわれたくちびるのつぶやきは声にならないの

輝くサザンクロス 夜には導いて
心から 望むなら ただひとつ それが真実

ああ 月日は去るのでなく
ああ とこしえにやって来る
激しすぎる渇きも 激しすぎる渇きも
あなたとなら こわくない
短かすぎる命は 短かすぎる命は
愛のためだけにあるの

Tropic of CAPRICORN 太陽も折り返えす遠い海
CAPRICORN もどれない情熱に身を委せて

CAPRICORN 太陽も折り返えす遠い海
CAPRICORN 人は皆 海流の中の島々


9.私を忘れる頃

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

宵の明星 ふう手が届きそう
ふりむけば すっかり青い夜
コンビナートが ああ煌いていた
遥かなふもとに

別れの言葉 ふう投げかけたとき
まわりじゅう ぼやけて海の中
耳を切るように ああ風が鳴ってた
真冬の展望台

口に出してはだめよ
見つけた流れ星
遠く離れても 遠く離れても
ずっと元気でいて

煙草の先が ふうときどき紅く灯るたび
照らされる横顔
してあげたくて ああできないことが
たくさん まだあるのに

あなたに のぞまれても
捨てられなかった夢
やがて許してね いつか許してね
私を忘れる頃

宵の明星 ふうどこへ行ったの
満天の銀河に埋ずもれて
しばらくしたら ああライトをつけて
カーヴを下りてゆきましょう


10.時をかける少女

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

あなた 私のもとから
突然消えたりしないでね
二度とは会えない場所へ
ひとりで行かないと誓って
私は 私は さまよい人になる
時をかける少女 愛は輝く舟
過去も未来も星座も越えるから
抱きとめて

ゆうべの夢は金色
幼い頃に遊んだ庭
たたずむあなたのそばへ
走ってゆこうとするけれど
もつれて もつれて
涙 枕を濡らすの
時をかける少女
空は宇宙の海よ
褪(あ)せた写真のあなたのかたわらに
飛んで行く
時をかける少女 愛は輝く舟
過去も 未来も 星座も越えるから
抱きとめて